スペクターは蘇りの記号

「じゃあ君の趣味は?」
「蘇ること(Resurrection)」
——Skyfall


 何故かみんな先行公開だってのに観に行っちゃってるんで、集団に流される弱いオタクのワタクシも行ってきましたよ、007 specter。お美事でした。
 前作スカイフォールがこう、伊藤計劃信者としては「かなり不純な動機」で楽しんでしまったのに対し、今度のスペクターは(それに比べれば)王道な感じの映画でした。細かい事情心情に左右されず、これが007だ!これがスパイ映画だ!という印象的な。
 無論、これは誤謬だ。スカイフォールだって割とやってることは王道だし、逆に今回のスペクターも結構「メタ」なボンドになってる。ただやっぱりスカイフォールのメタ度がガッチガチの反則飛び道具だったのに対し、こっちは「それを乗り越えた後のボンドに何が残っているのか」と「ダニー"プーチンフェイス"クレイグ・シリーズの集大成」という意味/程度のメタというべきか。だからそこにはやっぱり十分な温度差があって、スペクターは順当真っ当、というイメージがあるよなぁと。
 クレイグボンドの過去、スカイフォールでさえ語られなかった部分への肉薄。謎の組織スペクターの脅威。そのふたつをスパイスにしつつ繰り広げられる、コレマジで本当に王道なアクション(筋肉暗殺者さんとか)。「そうそう、こういうのでいいんだよ」を地で行く感じの映画です。


(以下書き途中)